◆第一句集
名もなき日名もなき人とあたたけし
石井恵の句集『句鏡』とは句が映し出す、その時々の、ひとりひとりの、一句一句の石井恵その人である。
(序・佐々木六戈)
◆作品紹介
名もなき日名もなき人とあたたけし
詫状の末筆ながら梅のこと
忘れ癖朧月夜のせいにせず
智より情金魚は糞を引きにけり
白絣父の教えも古りにけり
志すもの無し空中の蠅叩く
思うとき風の行方の喪の単衣
後の世を見ずして涼し遠眼鏡
瓢箪のぶらりと任を解かれけり
寒風に真向かいて愛されている
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ご本の紹介→ (ふらんす堂「編集日記」)
[いしいけい(1934〜)「草藏」所属]
序・佐々木六戈
装丁:君嶋真理子
四六判上製カバー装
146頁
2021/1/14刊行