◆第一句集
町どこからも梅花藻の水の音
大垣の風土に根差しながら、あるときは広やかに、またある時は繊細に情景を描き、その自在な姿勢が際立っている。
序より・井上康明
◆自選十句
相聞の丘冬蝶の吹かれくる
風花や阿修羅に小さき臍のあり
村々の除夜の鐘くる大河かな
輪中どこまで青田風どこからも
はればれと鷹渡る日の伊吹山
帯畳む冬の一日をたたみ込む
花に問ふ法師の恋や風鳴りぬ
ずぶ濡れて女が走る芙美子の忌
山と海おしあひ熊野夏来る
木曽三川図また春の雁が啼き
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[わたらいさちこ(1946〜)「郭公」所属]
序・井上康明
装丁:君嶋真理子
四六判上製カバー装
214頁
2020/12/21刊行