◆第一句集
竜宮の星あふれ来し夜光虫
観察や写生を超えて、命の本質に迫ろうとする智子さんのまなざしがそこにはある。
序・中根美保
自選句より
癒えし夫太箸しかと使ひけり
乳牛の逃げ出してゐる青田道
荒鋤の田やしみわたる春の雨
蜂が蜂くはへ飛びたつ原爆忌
自然薯に長き添へ木や年の市
うららかや裸婦の土偶の富士額
針ほどのさやいんげんに花のあと
年賀客子犬を抱きて来たりけり
倒れしも山百合の香のいちづなり
みせばやのすきとほるまで枯すすむ
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[ますいちえこ(1940〜)「一葦」所属]」
序・中根美保
装丁:君嶋真理子
四六判フランス装グラシン巻き
236頁
2021/01/01刊行