◆第二句集
『七生』は、景を鮮やかに切り取り手堅い詠み方に定評のある作者らしく、明快で端正な佳句揃いである。それに、月の光のように優しい、斬新な発想の句や遊び心のある句が加わり深みと華のある句集となった。
大木あまり
◆大木あまり選十句
倒木に日の射してゐる初音かな
木の花は今が盛りぞ浮いてこい
毛虫行く満艦飾の身をゆらし
星冴ゆる詩神はいつも仰がれて
恩寵のいろとなりたる龍の玉
花屑を掬ひて花を惜しみけり
草笛を吹きゐる妻の山河かな
白雲の押し移る夜のほととぎす
湖風はアイヌの風よ冷まじき
翅立ててこの世の蝶となりにけり
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[いしいなゆた(1941〜)「泉」同人、「塔の会」所属]
帯・大木あまり
装丁:君嶋真理子
四六判並製カバー装
180頁
2020/12/21刊行