◆第一句集
声高に自己主張する人では無い。
独り善がりの表現に自己陶酔する人でも無い。
背筋をすっと伸ばし、静かに、
語り掛けるように自分の世界を詠う人。
それが吉田悦子さん。
ここに慥かに一人の俳人がいる。
(帯・加藤静夫)
◆自選十句
さえざえとマイクが拾ふ風の音
花の下紺に緊まりて登校す
アトリエの裸婦の休憩毛皮着て
耳に来てかぜ音となる蛍かな
草餅やネタを拾ひに地元記者
身の丈のことば即ちあたたかし
リヤカーに掛け干す蒲団青梅縞
一セント拾ふ空港夏の果
納豆の攪拌競ふ帰省かな
秋の初風すずかけの木が二本
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[よしだよしこ(1940〜)]
帯・加藤静夫
装丁:君嶋真理子
四六判並製クータ・バインディング装
158頁
2020/9/16刊行