◆第一句集
火の貌のにはとりの鳴く淑気かな
央子さんは、中村草田男、鍵和田秞子のいのちを詠み、俳句の可能性を探るという志をしっかりと継いでいよう。
(跋・角谷昌子)
◆自選十句
血族の村しづかなり花胡瓜
狐火の目撃者みな老いにけり
東京の空を重しと鳥帰る
栗虫を太らせ借家暮らしかな
残雪や鱗を持たぬ身の渇き
筑波嶺の夏蚕ほのかに海の色
黒葡萄ぶつかりながら生きてをり
倭の國は葦の小舟や台風圏
縄文のビーナスに臍山眠る
火の貌のにはとりの鳴く淑気かな
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(ふらんす堂「編集日記」)
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[しのざきひさこ(1975〜)「未来図」同人]
跋:角谷昌子
装丁:君嶋真理子
四六判ソフトカバー装
220頁
2020/8/1刊行