◆第一句集
水仙に昧爽の波高からず
秋山さんの俳句の第一の特徴は、朗々と響く調べのよさだ。それが自ずと各々の句の格調になる。第二の特徴は俳諧味。これは秋山さんが自分の老いと向き合い、老いを手懐けるとともに目立ってきたものだ。
(序・小川軽舟)
◆作品紹介
浴すべしアルプスのこの星月夜
船頭の指せる巨木や鷹一羽
魚くさき大暑の町に入りにけり
京へ発つ一番列車春ショール
藁屋根にしみる夕雨一位の実
水仙に昧爽の波高からず
でで虫や税の重たき家屋敷
水温むぶしやつとしたる犬の貌
雪嶺や時にしんどき老の恋
鬼の役終へしヘルパー豆拾ふ
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(ふらんす堂「編集日記」)
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[あきやままさこ(1930〜)「鷹」同人]
序・小川軽舟
装丁:和兎
四六判ハードカバー製
214頁
2020/8/1刊行