◆第一句集
水仙や沖に一舟動かざる
氏の愛する房総の原風景と言ってもよい。余計なことは言わず風格がある。どことなく氏の俤も浮かんできて私の好む句の一つである。
(序・村上喜代子)
◆自選十二句より
息災は天の恵みよ明の春
一筋の道を愚直に去年今年
草の芽やこの日本の底力
ひたすらに逃水追ひて晩年へ
活火山多き国なり亀鳴けり
力士には口髭のなし春の風
濁世いま太き声出せ蟇
秋澄むや林火師系といふ絆
大川の千波万波に秋の色
マスクして専守防衛なる構へ
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(ふらんす堂「編集日記」)
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[いとうたかし(1932〜)「いには」同人]
序:村上喜代子
装丁:君嶋真理子
四六判ソフトカバー装
2020/7/3刊行
198頁