◆第一句集
先客のありて笑まひぬ泉殿
さやさんの作品には初心のころから十分な余白をとってあることがわかる。読み手が自由に想像を働かせる余白だ。
(序・石田郷子)
◆自選十句
幸福はこれ位かな木の実受く
鶏頭の丈のこもごも待ち合はせ
読みさしのヴィヨンの妻や冬の旅
木瓜の花会釈とは断るときも
取り返したきもの夏の川渡り
一日が日暮れの明かさ蝌蚪の紐
料峭の火を焚く棕櫚の葉陰かな
母にもう待たれず桜満ちにけり
なかよしもりぼんも読みぬ豆の花
白鷺に榛の初風ありぬべし
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(ふらんす堂「編集日記」)
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[くろさわさや(1955〜)「椋」所属]
序:石田郷子
装丁:和兎
四六判並製クータ・バインディング装
218頁
2020/4/13刊行