◆第一句集
家猫と夏の座敷にすれ違ふ
自在でのびやかな感性がみられ、俳句への親和が感じられます。
けっして俳句の枠を崩すことなく、きちんとめりはりをつけた句、これがいまの大北さんの句だろうと思われます。
(跋より・宇多喜代子)
◆自選十二句より
スカーフの馬の模様や巴里祭
ひとりごと一人遊びの外は雪
朝の雨胡瓜の花の黄が濡れる
この先は白き野となるすすきかな
朝霧の大き仏をかくしけり
家猫と夏の座敷にすれ違ふ
肩先にしだれ桜のふれにけり
一月や二上山に騒ぐ風
海鳴りをききつつ戻る寒さかな
枯蔓を引けば手元に海が来る
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(ふらんす堂「編集日記」)
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[おおきたゆきえ(1940〜)「草樹」会員、「晨」同人]
跋:宇多喜代子
装丁:君嶋真理子
四六判フランス装グラシン巻
204頁
2020/3/7刊行