◆第一歌集
本歌集は、恩師米地實先生(以下、先生と略す)が日本女子大学に在職中、私学研修期間を得て一九八四(昭和五九)年一〇月一日から翌一九八五(昭和六〇)年九月末日までの一年間にわたって、伊勢市に滞在し、皇學館大学(三重県伊勢市、以下皇學館と略す)の西川順土先生(当時皇學館大学教授)のもとで神社学・国学を学んだ際に詠まれたものです。
◆作品紹介
神杉の風吹きぬけし参道に祭主の御顔白く尊うとく
襟元に吹き込む風は伊勢の風わがゆく道にあかりみゆるか
小田の橋流れゆく水にごれどもゆう日に映えて面光りたり
ただ一人踏む玉砂利の音とめてゆう日をうけし池の面みる
神杉のうてな照らせし御光を背にいただきて渡る宇治橋
神杉の樹の間に青き空ありてもうでし人の顔の明かるき
月次の祭の列に加わりておもいを止めて正宮へ向う
海底をパイプ通して得し水とききて想いぬ過しくらしを
日溜に集いて遊ぶ児わらべのかわす言葉に故郷をきく
五十鈴川祈りの群もおさまりて目をうつして流れさやけき
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[よねじみのる(1933 〜 2018)]
あとがきに代えて・宇都榮子
四六判変形フランス装ビニール掛け
154頁
2020/4/25刊行