◆第一句集
回転ドアーくるりと秋を通しけり
自分をじっと見つめてありのままの自己を詠む作品は、読む者を深い愉悦の世界に招じ入れてくれます。
作者はきわめて上質の諧謔精神と表現力をお持ちなのです。
(跋・鈴木直充)
◆自選十句
新春や富士を伴ひ甲斐の旅
あねいもと笑顔よく似て桜餅
初浴衣わが娘しみじみ見つめけり
人ごゑの遠く近くに大花野
妻の座は常の日だまり毛糸編む
春装の出入りかろやか資生堂
風のこと知り尽くしたる鉄風鈴
回転ドアーくるりと秋を通しけり
亡父の背流すことなく墓洗ふ
妻逝けり独り色無き風の中
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(ふらんす堂「編集日記」)
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[つくいたかを(1932〜)「雨上句会」同人]
序句:赤羽暁羽
跋:鈴木直充
装丁:君嶋真理子
四六判ハードカバー装
216頁
2020/2/17刊行