◆第二句集
憂国の友に注ぎたり花見酒
時局的な問題に関心をもち、この国の将来に危機感を募らせている。それがときどき作品にも現れているようだ。三島文学の愛読者ではないけれども、わたしのそんな思いを表題に込めた次第である。
(あとがき)
◆自選十句
討論は白熱バレンタインの日
蒼穹のかすかに鳴れり昭和の日
空のいろ映し海月は砂浜に
子規堂へ土足で上がる敗戦日
夜学子の一音鳴らすピアノかな
薄日さす電話ボックス欣一忌
荒星や一気に干せる火酒の盃
新聞を買ひに宿出る漱石忌
古書店に主とふたりクリスマス
勤王の志士の本持ち煤逃す
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(ふらんす堂「編集日記」)
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[かわらじひでたけ(1959〜)「伊吹嶺」主宰]
装丁:和兎
四六判ペーパーバックスタイル
168頁
2020/1/29刊行