◆第一句集
噴水やきらめく闇といふもあり
能城檀俳句の真骨頂は、あっと驚かされるような表現、予想外の飛び方(跳び方?)をする展開などにある。特別難しい語彙を駆使する訳ではないが、この対象にこういう形容があり得るのかという意外性がある。
(序・仲寒蟬)
◆収録作品より
そら豆の殻より出づる本音かな
湯ざめして肺の裏側まで孤独
手で量る物の重さや花曇り
八月の水ごくごくと吾子になる
サイフォンコーヒー狼を眠らせて
行水の息子鳥類かと思ふ
潜水艦浮上せし日の祭笛
風評に抗ひ案山子たる矜持
脱ぎ捨てし靴の放心秋の虹
葱多忙なれば団欒などといふ
Amazonでの本の購入はこちらより→
Amazon
ご本の紹介→
(ふらんす堂「編集日記」)
*
[のうじょうまゆみ(1963〜)「船団」「牧」会員、メール句会「閑々亭」運営]
序:仲寒蝉
装画:金子國義
装丁:和兎
四六判並製カバー装グラシン巻
194頁
2019/12/31刊行