◆第一句集
十年という時の流れは
少年が青年になる歳月。
二人の息子の成長の証(あかし)が
句集のそこここに輝いている。
母親の顔の向こうに
俳句という自己表現を得た
作者の貌も見えてくる。
子育てを終えた時
母親は人生の新たな地平を歩み出す。
その出発の標(しるべ)となる第一句集。
(帯より・西村和子)
◆自選十句
白魚の水切つてなほ水の色
スイートピー給湯室は好きな場所
花衣つねの鏡を驚かす
夜よりも昼間の眠し夏休
ストローを嚙んで夕焼見てをりぬ
ころんだ手はたき踊の輪に入る
菓子三個机上にありて休暇明
身に入むや戸籍辿れば知らぬ町
雪吊の水の中にも出来上がる
方舟となるや夜のビニールハウス
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(ふらんす堂「編集日記」)
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[かさはらみわこ(1962〜)「知音」「群青」同人]
帯・序句:西村和子
栞:櫂未知子
装丁:和兎
四六判ペーパーバックスタイル
172頁
2020/1/29刊行