◆第二句集
風船の溜りをるなり空の涯
『空の涯』の句稿を開くと、作品の恰幅が格段に豊かになっていることに気付く。先に読んできたように應孝さんでなければ、なしえない句も多い。たしかな成長が読み取れるのだ。
(序・小澤實)
◆自選十句
新涼や無役の名刺刷り上る
十六夜や全島石油備蓄基地
風船の溜りをるなり空の涯
妻煎餅派われ羊羹派冬ごもり
配布資料三枚綴や団扇に代へ
豊の秋山河を汚したるわれら
種馬の魔羅消毒す刷子もて
焼夷弾降る満開の夜桜に
兄の名に命付けたり流燈会
屠殺吏の右手に電極梅雨の冷
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(ふらんす堂「編集日記」)
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[みやたまさたか(1932〜)「澤」「玉藻」同人]
序:小澤實
栞:星野高士
装幀:山口信博+玉井一平
四六判ハードカバー装
166頁
2019/11/30刊行