◆第一句集
父母の亡き島へ帰省の橋渡る
ふるさと「女木島」での幼少の頃の原体験が、本句集全体に主旋律となって、静かに、豊かに、滔々と流れている。そして帰るべき「心のふるさと」を持つ河瀬さんが羨ましいと思う。
(序より・川口 襄)
◆自選十句
初凪の島より島へ郵便船
海峡の渦の底より桜鯛
山葵田に穂高連峰よりの風
筑波嶺を浮島にして青田波
深きより海神のこゑ箱眼鏡
棹させば星座となりぬ夜光虫
みんなして濡れて喜ぶ夕立かな
兜虫吾子はいつしか父となり
幾千の竹をこぼるる日の涼し
団栗のやがて大樹の尖りかな
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(ふらんす堂「編集日記」)
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[かわせとしひこ(1943〜)「爽樹」幹事長]
序:川口襄
跋:小山徳夫
装丁:君嶋真理子
四六判ハードカバー装
208頁
2019/10/25刊行