◆待望の第二句集
身辺無一物を旨とする禅者が、なにゆえ俳諧などという雑なる詩と遊ぶのか。思うに求道の道程に出会う万象を俳詩の形に昇華しつつ、己を無化しようとの志か。
(序辞・高橋睦郎)
◆高橋睦郎抄出十五句より
撓みつつ廻るレコード鳥帰る
山々は木の花白し更衣
風に消ゆ沢蟹の泡茅舎の忌
未だ知らぬ俳諧遊べ谷戸の秋
あらたまの山河親切なづな粥
初経や金泥の文字ばりばりと
梅雨山を真ツ正面や浄髪す
おしぼりの芯熱かりし夜の秋
黎明や蟻のさなぎの乳の色に
寸に出て丈を白茅の志
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(ふらんす堂「編集日記」)
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[さかうちぶんのう(1949〜)「白茅」代表]
序辞:高橋睦郎
装丁:間村俊一
A5判変形ハードカバー装
242頁
2019/10/19刊行