◆第一句集
身を捨つる恋もありけり歌がるた
叙情を信条としながらもそこに明るい諧謔性を利かせているこの作品は、この句集名としては最もふさわしいものではないかと思う。この遊び心が俳句では大切であると私は考える。
(序より・今瀬剛一)
◆今瀬剛一抄出
久方のひかりの中の梯子乗り
鮎の宿淡海の風を通しけり
千枚漬買うて人形町おぼろ
少年に夏山のあり祖父のあり
狐火を信ずる人を信じけり
秋惜しむ流離の果ての貝拾ひ
身を捨つる恋もありけり歌がるた
雪解風竹人形は声持たず
ゆつくりと時の流れて走馬灯
色鳥やむさし野に水湧き続け
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(ふらんす堂「編集日記」)
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[すずききょうこ(1935〜)「対岸」同人]
序:今瀬剛一
装丁:君嶋真理子
四六判ソフトカバー装
210頁
2019/9/26刊行