◆第一句集
刻々と霞の富士となりにけり
牧子さんは旅を楽しみつつ、肩の力を抜いて伸びやかに詠まれて魅力的な句を多く残しておられる。
句集『旅ごころ』には、そんな御夫婦の辿られた様々な景が見えて来るようで興味深い。
(序より・山田佳乃)
◆自選十句
歩きたく立ちどまりたく春の風
花の山下りて見上ぐる花の雲
晋山の僧に万朶の花吹雪
買物はいつも自転車五月晴
鮎掛くる胸まで水の流れあり
応援の父がもつとも日焼して
被災地の日は又昇る露の朝
秋繭に簇のぬくみありにけり
舟音の小春の海を渡りけり
一村は根雪の嵩に眠りをり
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(ふらんす堂「編集日記」)
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[まつやままきこ(1939〜)「円虹」所属、「ホトトギス」同人]
序句:稲畑汀子/稲畑廣太郎
序:山田佳乃
挿画:加藤静允
装丁:君嶋真理子
四六判ハードカバー装
154頁
2019/10/1刊行