◆第三句集
山法師は、我が家の前に並木があり、初夏の季節になると清楚な白い花を咲かせ、心が洗われる感じがあって好きな樹である。
この集には山法師を詠んだ句を幾つか載せている。そんなことから迷わず決めた。
平成一五年より三〇年までの七〇五句を収録。
◆自選十五句より
今朝の秋布衣の雀も来てゐたり
黄金田や女神の臥せしあと残る
逆白波の歌碑黄落の直中に
血の汚れは鉄の匂ひの夏逝けり
常念岳は心の秀たり冬晴れて
素潜りの足鰭二枚天高し
綿虫の一つ浮かんではるかなり
亡羊を追ひきし荒野月赤し
広場にガーゼ踏まれしままに凍ててあり
鉄棒に五月の闇がぶら下がる
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(ふらんす堂「編集日記」)
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[まつばやししょうし(1930〜)「木魂」代表、「海原」同人]
装丁:和兎
四六判ソフトカバー装
208頁
2019/9/25刊行