◆第一句集
夏帯や子に祝はるる誕生日
著者は都会的センスに溢れた知と情の人である。家族の肖像ともいうべき本句集の作品を読んでいると、いつもその中心に著者の笑顔があることを確信する。常に前向きで希望に満ちた宇太子さんの俳句は、読む人を励ましてくれるに違いない。
(帯・片山由美子)
◆鶴岡加苗抄出
釣釜に伏せ置く杓の定まらず
噴きこぼれさうにしだれて雪柳
降り積みて雪のくらしの定まりぬ
角巻にかくすつもりはなき齢
対といふ揺ぎなきもの鶴の舞
ほほばれば日向のにほひ雛あられ
鮒鮓のもてはやされてゐて減らず
打水やむかしはありし不意の客
消してより話のはづみ春暖炉
お降りやほのと匂へる雑木山
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(ふらんす堂「編集日記」)
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[いとううたこ(1941〜)「香雨」同人]
帯:片山由美子
序句:鷹羽狩行
跋:鶴岡加苗
装丁:君嶋真理子
四六判並製クータ・バインディング
200頁
2019/9/20刊行