◆第二句集
「風聴くや」は、風が運んでくる過去や、未来の声をも胸の内に確と聴きとめて、俳句人生を楽しく充実させてゆきたいとの思いを込めた句集名である。
恩師・安住敦。初学から作者の秀でた感性に期待し、指導に精魂込めた永作火童。敦、火童の声は風となって、終生作者の胸に励ましを送り続けるだろう。
(帯・ながさく清江)
◆ながさく清江抄出
どこから来てどこへ行く風夏近し
ほほづきの花や母の忌しづかに来
人の世へ橋渡りくる蛍かな
水に放つ負けん気強き茄子の紺
ひつそりと秋の来てゐる草の丈
水音も葉擦れも盆の近きかな
仰のけの父唄ひ出す敗戦忌
貝割菜風があそんで行きにけり
烏瓜どのみち取れぬ高さかな
雪降れりかくも静かに人とゐて
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(ふらんす堂「編集日記」)
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[みかみていこ(1939〜)「春燈」所属]
帯:ながさく清江
装丁:君嶋真理子
四六判フランス装カバー掛
198頁
2019/09/15刊行