◆第一句集
送別や桜吹雪が窓飾り
作者の心にいったん「窓」というフィルターを掛けて作者の心の中の揺れを捉えるのだ。所謂、詩の領域で言うところのメタファー(象徴)の窓として描くのである。ここに葛西俳句の深さがある。
(跋・太田寛郎)
◆太田寛郎抄出十句
送別や桜吹雪が窓飾り
卒業式風がしきりに窓叩き
花の雨母はしづかに湯を使ひ
先生も雪に気づきて寄る窓辺
風鈴を指で弾きて休み果つ
私とゴリラとしばし懐手
群衆に顔ひとつづつ十二月
別れめのめは已然形卒業歌
足もとに舟の消えたる橋涼み
火の鳥のごとくにしだれ花火かな
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(ふらんす堂「編集日記」)
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[かさいしげみ(1956〜)「香雨」所属]
序句:鷹羽狩行
跋:太田寛郎
装丁:君嶋真理子
四六判ペーパーバックスタイル
138頁
2019/8/29刊行