◆第一句集
初仕事去年の我よりメモひとつ
机上にある自分自身のメモは、初仕事として今日しなければならぬことーー。
明日への課題を日々の心に書き止めながら、吉田林檎の進むべき一歩一歩が見えてくる。
(帯・行方克巳)
◆自選十句
この紐をどこに通すやサンドレス
眼鏡の子存外疾し運動会
コート着る着ない無理やり着せにけり
笑ふこと悲しき夜なり雪催
白魚のどれも驚愕してゐたる
手を洗ふあぶくだらだら春の昼
水中花思ひはなれしときひらく
アイスコーヒー飲み干して働くか
まな板の裏まで濡らし西瓜切る
映画館出でて銀河の底歩む
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(ふらんす堂「編集日記」)
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[よしだりんご(1971〜)「知音」同人]
帯:行方克巳
序:西村和子
装丁:和兎
四六判並製小口折装
204頁
2019/8/29刊行