◆第一句集
向日葵や真直ぐはつまらない道
梨恵さんの句には、他の人にはない独自な世界がある。特別なものではなく、誰でもがいつも持っていながら、でも、今までいちども俳句には表現されていない、彼女だけのユニークな感覚のそれである。
(序より・石寒太)
◆自選十句
向日葵や真直ぐはつまらない道
マフラーは風の遊び場かもしれず
ふらここの真下暮れゆく水たまり
沈黙に夕焼色の呼吸かな
よろこびの尻尾のS 字春立てり
夕暮れになりそこねたる金魚かな
水鳥の水になるまで旋回す
春の雪近づくまでは知らぬひと
音漏れの曲の輪郭夏の雲
極月や土鍋の下の火のゆがみ
Amazonでの本の購入はこちらより→
Amazon
*
[くらもちりえ(1977〜)「炎環」所属]
序:石寒太
装丁:和兎
四六判ソフトカバー装
198頁
2019/8/29刊行