◆第一句集
往診に立待月を連れとして
いずれも人間味豊か、医師としての一面と、家庭人としての半面が垣間見えて楽しい。
(序・稲葉茜)
◆自選十句
アマリリスすつくと留守番昼下がり
子燕に午後の往診迎へられ
葉桜や顔を埋めて泣きにけり
往診の床ずれ深し草いきれ
いわし雲ごしごし洗ふ登山靴
往診に立待月を連れとして
聴診器掌で温めをり冬に入る
冴ゆる夜や素顔の月に出会ひけり
脈取れば赤きマニキュア浅き春
往診の部屋に春場所土俵入り
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(ふらんす堂「編集日記」)
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[いのうえふみひこ(1953〜)]
序に代えて:稲葉茜
装丁:君嶋真理子
四六判フランス装グラシン巻
198頁
2019/9/2刊行