◆第二句集
身近で親しい情景なのに、なんて静かなんだろう。
それを遠く眺める作者の目は、生きてきた時間を見ているのかもしれない。
私は辻内さんと同世代だから、とりわけそう感じる。
思わずその時間を呼び止めたくなる。
(帯より・小川軽舟)
◆自選十句
毎日を生きて未来へラ・フランス
灯してわが家ちひさし春のくれ
いつせいに鐘鳴るごとし寒夕焼
玄関は家族にひとつ水仙花
まんじゆしやげことりと日暮来りけり
目の前を遠く眺めて春焚火
父のため作る一間やゆすらうめ
ひぐらしの森引き潮のごとく暮れ
八月やピエロは上を向いて泣く
近づけばただの石ころ冬あたたか
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[つじうちきょうこ(1959〜)「鷹」月光集同人]
帯:小川軽舟
装丁:君嶋真理子
四六判ペーパーバックスタイル帯カバー掛け
198頁
2019/07/20