◆第一句集
湯気立てて雪解の道の乾きゆく
技巧を凝らすこともなく、さらりと詠まれていて、飽きが来ない。
まさに、花鳥諷詠の本道を行く句と言っていいだろう。
(序・三村純也)
◆自選十二句より
一瞬の青空映ゆる雪を掻く
塗師の手の漆汚れの初茶湯
お点前の炭火の香り春時雨
一灯も漏れぬ閼伽井屋御水取
一力の矢来の長き大石忌
入学の子や講堂を見上げゐる
曲家に馬具置く土間の春遅々と
花器に水なみなみと注ぎみどりの日
非文忌の有馬の山の令法咲く
今もなほ土楼に棲みて茶を摘める
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(ふらんす堂「編集日記」)
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[しまだれいこ(1935〜)「山茶花」会員]
序:三村純也
装丁:君嶋真理子
四六判ハードカバー装
170頁
2019/6/27刊行