◆第一句集
俳句とは異なる文芸分野への教養や関心が、句作の際には、新鮮な瞬発力として働いているのではないか。その作句の背景には豊かな文芸、文学の諸相が広がっている。
(井上康明/序)
〈芭蕉忌の流れくる水真新し〉芭蕉、その他の先人から脈々と書き継がれてきたものの喩としての「水」は、新しくあらねばならない、という思いに、私は胸が熱くなるのである。
(池田澄子/栞)
◆収録作品
シャガールの馬を立たせて青嵐
精霊の踊りて烏瓜の花
機影入れ真円の虹従いてくる
足のじやんけん菩提樹の花の下
湧き水の水押す力みてゐたり
ポプラ鳴るこれよりは夏物語
雪原を真二つにして春の川
冷されて馬美しく耳立てり
露涼し馬には眉毛なかりけり
ストーブが真つ赤母との指相撲
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(ふらんす堂「編集日記」)
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[くりばやしともこ 「郭公」創刊同人]
序:井上康明
栞:池田澄子
装丁:和兎
四六判フランス装カバー装
166頁
2019/7/7刊行