◆第十六句集
こんなとき喝采起こる涼しさよ
第十五句集『あんこーる』と洒落れてみた。題簽の面白さと内容の軽やかさが相俟って、次は『カーテンコール』をという提案があったが、私はコールは一回でよいと思い、次に出すなら『喝采』と心に決めた。それがこの句集である。
(著者)
◆自選十五句より
霧湧ける北上川を思ひ出に
うららかに済せし認知症検査
川流れをりて川霧流れざる
一稿の仕上りし夜の葛桜
デジタル調アナログ調と踊見る
吾亦紅焦茶が似合ふこと知らず
ひとり来し花野ふたりで来し花野
口中の燃えたる愛のチヨコレート
しらうめや白にも濃しといへる白
チユーリツプにも定形を外すもの
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(ふらんす堂「編集日記」)
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[ごとうひなお(1917〜)「諷詠」名誉主宰]
装丁:君嶋真理子
四六判変形フランス装ビニール掛
2019/7/1刊行
138頁