◆第二句集
イーゼルに未完のピエタ夕月夜
表紙画のマリオネットの顔を見ていただきたい。この操人形の顔に浮ぶ微笑の人なつこさ、そして遥かを思いやるような姿、これこそ博子さんの詩情そのものである。
(序より・有馬朗人)
◆自選十二句より
ひと揃ひ産衣の乾く木の芽垣
潮待ちの浦に陽炎旅人の碑
鳥雲に新羅使節の蒼き地図
六月の牛に霽れの日飾り鞍
月蒼く被爆の壁に母の文字
流燈の闇を動かす六日かな
鶴万羽まだ折り足らず夏深し
新涼の木霊と遊ぶホルン吹き
銀河濃し藍の匂へる機織女
霧深きドナウに老いしチター弾き
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(ふらんす堂「編集日記」)
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[みずたひろこ(1942〜)「天為」同人]
序:有馬朗人
装丁:和兎
四六判ソフトカバー装
192頁
2019/05/12刊行