◆第一句集
貝塚夕焼け人いつか死ぬ必ず死ぬ
この光のような一句を得ただけでも、作者の敦子さんも読者の私たちも、十七音詩に出会えた至福を俳句の神に感謝しなければなるまい。
(帯・高橋睦郎)
◆高橋睦郎抄出
十三夜帯解けば帯うろこ生む
缶ビールの腹凹ませてさて寝るか
春愁や犬猫愛せず人愛す
給油所に神輿が休む秋祭
春兆す美男と美女のチンドン屋
働き蜂老いては膝を抱えて死ぬ
たぶんおおかた座頭鯨を見ずに死ぬ
茅葺きの集落ぽっぽっぽと山ざくら
きりぎりす的寝相わたし足立てる
神田古書店奥に古書霊座る冬
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[やまもとあつこ(1942〜)「野の会」無鑑査同人]
帯:高橋睦郎
序:高山れおな
跋:鈴木明
栞:筑紫磐井、関悦史
装丁:和兎
四六判変形ハードカバー装
220頁
2019/4/7刊行