◆第一句集
春鮒を竿満月に釣り上ぐる
定年過ぎの自由な時間が釣によって豊かになっていることを実感するタイトルにもなった「竿満月」の句は、「玉梓」会員にもとても好評で、新年句会の選者として染筆に所望されることも多い。
(序・名村早智子)
◆自選十五句より
賀状来る釣の誘ひと共に来る
新走り先づネクタイを弛めをり
父の日の酒教頭になりし子と
一徹に世話役十年秋気澄む
霊山の富士の反りゐる初暦
福笹の重みを福として担ぐ
春鮒を竿満月に釣り上ぐる
釣好きになりさうな孫夏帽子
天橋の松の八千色変へず
人ごとのやうに米寿の春迎ふ
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(ふらんす堂「編集日記」)
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[よしえじゅんじ(1931〜)「玉梓」同人]
序:名村早智子
装丁:君嶋真理子
四六判ペーパーバックスタイル
186頁
2019/2/14刊行