◆第三句集
凍てゆるみけり腹帯を貰ひ受け
腹帯を貰い受けたのは己の母であり、自分であり、娘であり、全ての母だ。人はそれほど遠くへは行かないものだ。近傍こそが俳句の場所であり、秘密の蔵なのだから。
(栞より・佐々木六戈)
◆自選十句
朝に生れし戴星の仔馬かな
栗鼠の尾の山笑はせて行きにけり
黒板を消しても残る春の空
筍に雉鳩の来て羽根の色
鉄臭き海星拾ふや白日傘
同胞の頭で割るや盂蘭盆会
威銃鳴るや野の宮まで遠し
かまつかの色にふくらみ雨雫
橘は始めて黄なり倶会一処
北塞ぐとげぬき様の札呑んで
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(ふらんす堂「編集日記」)
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[あらいやゆき(1945〜)「草藏」創刊同人]
栞:佐々木六戈
装丁:和兎
四六判フランス装カバー装
204頁
2019/2/8刊行