◆第二句集
而して無役の夏に對ひけり
題は、永年勤めた会社の役職を解かれた折に浮んだ一句から採りました。
俳句が無ければさぞ辛い定年だっただろうと今更ながら思います。
(あとがき)
◆収録作品より
猪のまつ毛の長き朝桜
中空のどこも濡らさず春時雨
星の死の眩しきを云ふ秋のこゑ
銀幕を人の名流れゆく夜長
原色の街よ八月十五日
秋水に浸してありぬ庭鋏
風花を待つ吉報を待つやうに
隣家のこゑのしづかや粥柱
吊し雛在りし処にけふは風
巻き上げし傘春陰の傘立に
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(ふらんす堂「編集日記」)
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[たかはしはくさい(1951〜)「椋」会員]
装画:石井岳
装丁:和兎
四六判変形ペーパーバック装
168頁
2019/2/19刊行