◆ふらんす堂俳句叢書 現代俳句12人集
朝の舟 梨のはなびら のせゆきぬ
私の心にふれる外界の景情は、ほかならぬ私自身のひそやかな心の相であろう。外は内の投影であろう。私はつねにそう信じたいと思ってきた。
◆収録作品より
初茜大魚に鰓の隙間あり
この沖に天水の島初茜
初潮騒篠垣にうちひびきつつ
いづこにも船の影なき飾り臼
一月や海鳥に鋭き目と嘴と
水仙を咥へ水仙切りゐたり
きのふより雨の川留め手毬唄
読初の丹後風土記に星のこと
ひとつづつ水輪寄せあひ雪の鴨
?一つ雪に挿しある日暮かな
*
[ともおかしきょう(1934〜)]
装丁:君嶋真理子
四六判上製カバー装
210頁
2000.07.19刊行