◆新詩集
風船乗りよ このまま気球に揺られて
そろそろ見収めと柵をこえる処まで
ゆらりふらりと空気の上澄みを漂って行こう
そこで隠していた悪戯がばれたら
そこで不治の感染症に蝕まれていたら
そこで通報され世人にも家族にも処罰されたら
たったひとりで泥土の壺になる
あからさまに迂闊なことよ
(「風船乗りの夢」より)
◆目次
石影/無敵の隊列/懸想/終日/理由─断章─/北風─断章─/永遠の日曜日/大晦日/無傷の帰還/燎火/椅子の話/嘘つき少年/存亡/笑み/死なない蛸/演劇少女/倒錯/ある夢/呼びかけ/晩餐/口上/窓口/迷宮の地図/探偵/夢の断層─ある寓話─/絵画展にて/隠者の謀叛/迂闊の人/挨拶/悪意のチンチラ/黄昏の石/風船乗りの夢
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(ふらんす堂「編集日記」)
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[いわさきしょういち]
装丁:和兎
菊判変型ソフトカバー装グラシン巻
92頁
2018/12/24刊行