◆第二句集
シリウスに耳がもつとも繋がりぬ
言葉を五七五の空間に自分の感覚のみを頼りにできるだけ遠方へと放つ。そして、その言葉と互いに引っ張り合う。その緊張感の中に新しい世界を創造する。
(跋より・高野ムツオ)
◆自選十五句より
人体のどこも先端風光る
空瓶となる音を吐く朧の夜
囀がまるい器になつてゐる
蚕豆を食べると悲しみが来さう
ががんぼはすき間でできてゐる思ひ
奥まつて舌はありけり油照
物音のひとつでありし黒揚羽
睡蓮を身籠りさうで立ち上がる
こころ遠浅になるべし炎天下
自転車に虹の空気を入れてやる
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(ふらんす堂「編集日記」)
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[なかいようこ(1941〜)「小熊座」同人]
跋:高野ムツオ
装丁:君嶋真理子
四六判上製薄表紙カバー装
156頁
2018/12/25刊行