◆第一句集
声出さば散るかもしれぬ冬桜
冬桜は春の桜と違って、花の数も少なく、称讃の声にも散ってしまいそう。
本句集を読み返すと、驚くほどに深い含蓄の句があって、読む者を飽きさせない。
(帯より・鷹羽狩行)
◆伊藤トキノ抄出
御仏も厨子を出られよ白牡丹
噂せし人の現れ水羊羹
次の世は人になれよと毛虫焼く
尼さまの白き干しもの梅日和
お上手を言つて帰りし盆の僧
短冊にあはす墨色星祭
雨傘の百花を加へ菖蒲園
客の傘より雫たれ鬼灯市
ぼろ市やマントを売るにマント着て
声出さば散るかもしれぬ冬桜
Amazonでの本の購入はこちらより→
Amazon
ご本の紹介→
(ふらんす堂「編集日記」)
*
[おおいしみつえ(1938〜)「狩」同人]
序句・帯:鷹羽狩行
跋:伊藤トキノ
装丁:君嶋真理子
四六判ハードカバー装
182頁
2018/11/27刊行