◆新詩集
「誰でもみんな、語るべき物語をもっているのです」とルイーズ・ブルジョワは言う。
私はそれを語ることができただろうか。
(「終わりに」より)
◆「つゆくさ」より
山の斜面いっぱいに咲きみだれるつゆくさ
流れる小川の両岸に咲きこぼれるつゆくさ
女たちは愛しただろう
藍色の普段着
細い帯をきりりとしめて
さわやかな着心地をたのしんだ日日
花のいのちは短くて
コップの水に入れると
その死が透けてみえるほど
花は咲いているだけで美しいのに
残したいものもあるのだった
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(ふらんす堂「編集日記」)
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[あんどうまさみ(1938〜)]
装丁:和兎
A5判ソフトカバー装
102頁
2018/11/26刊行