◆第三句集
潮干狩貝になりたき人もをり
『銀化』には何人かの“地雷”と称される俳句巧者がいる。
この川名氏もその一人。
その句の変幻自在は永年「連句」をやって来た、言葉に対する感受性と柔軟な頭脳から来ている。
ここに大患を経ての第三句集『回帰』に完全復活の兆しを見る。
(帯より・『銀化』主宰 中原道夫)
◆自選十二句より
ライオンが寝てゐるだけの時雨かな
いのちの緖末長く引け雑煮餅
筍といへど身ぐるみ剝ぐは愉快
冬ごもり思考が粘土質になる
葉桜の奥にあしたが待ちゐたり
雷鳴が笹かまぼこの上に降る
ざぶざぶと水が精出す五月来ぬ
ふくれきて刹那を落す滝の水
四散してまた舟虫になりにくる
こんにやくのはればれとある関東煮
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(ふらんす堂「編集日記」)
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[かわなしょうぎ 「銀化」同人、「解纜」会員]
十二句抄出・帯:中原道夫
跋:別所真紀子
装丁:川名美絵子
四六判ハードカバー装
192頁
2018/10/10刊行