◆第三句集
死者への眼差しと、生者としての日々。
生者死者、水も石も人のほとりに棲む生きものも、思わぬ近さに感じながらの一集になったように思います。
(あとがきより)
◆自選十句
噴水にゆめの変り目ありにけり
泣いてゐる鼻の奥まで麦の秋
玉虫のあれはたましひ曳く高さ
腰かけてそれから秋の顔になる
枯葉たつぷり小さな獣など走れ
花ちつてしまへり猫を改名す
花ミモザ窓際は日に酔ひやすし
てつぺんを天の風吹く夕焼かな
はじまりの母コスモスの中に父
秋暁の羽化すみずみが蝶になる
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(ふらんす堂「編集日記」)
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[いいだはれ(1954〜)「雲」主宰]
装丁:和兎
四六判並装(クータ・バインディング)
176頁
2018/9/11刊行