◆第一句集
初電車二つ乗継ぎ浅草へ
季題が活き活きとした、ゆるぎない客観写生の句である。それだけに一読して情景が鮮明に読み手に伝わり、その中に、作者の心が読みとれ、愛誦すべき、平明にして余韻ある句である。
(序より・深見けん二)
◆自選十句
古里の家並変らず軒氷柱
白梅の散り飛ぶ庭の点前かな
古雛の歴史を偲ぶ細目かな
山葵田に水のリズムの世界あり
おのが音に憑かるるごとく囀れる
咲くもののなき庭蝶に話しかけ
動くもの風ばかりなる麦の秋
着想の湧くにも似たり雲の峰
爽やかや点滴とれし言葉にも
紅白の歌になごみて年惜む
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(ふらんす堂「編集日記」)
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[しまかくみ(1918〜)「ホトトギス」「桑海」同人]
序句:稲畑廣太郎
序:深見けん二
装丁:君嶋真理子
四六判ハードカバー装
164頁
2018/9/14刊行