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◆ 第二句集
この作者の句には、今どき珍しく批評・批判の眼差しがある。 それは社会・時代や文明への思いから、水仙や冬芽のたたずまいにまで及び、一種皮肉な俳味をかもす。(帯・星野恒彦)
覚めぎはのちよつと破れし春障子
つんのめるやうに吹かれて黄水仙
無口なる夫こそよけれ虻日和
更衣して紙屑をひとかかへ
いつの世も鬼は騙され青胡桃
くらげなすただよへるくに靖国祭
どの国のどの地を占めてゐし茸
古バスが図書館となる村の秋
鱈汁や語尾をゆらして加賀ことば
戦争を知らぬ桜に冬芽立つ
「鐘」十句 星野恒彦抽出
「貂」同人
定価 本体2476円+税=2600円
帯・星野恒彦
装丁・君嶋真理子
四六判フランス装
186頁 2007.02.05刊行