◆第二句集
消ゆる雲ありながら湧く冬の雲
港近くの高階に住み、いつも空と海を眺めている……。
(著者)
◆自選十二句より
黒揚羽黒くよぎりぬにはたづみ
虚子の忌や休むことなく海うごき
おくつきは洞然としてさくら散る
著莪咲いて仏事の靴の黒びかり
これほどの嵐にしづか紅椿
虫の死を確かめ合うてこどもの日
江ノ電は昼寝の部屋の横をゆく
しやれかうべめく雨の日の白あぢさゐ
高く泳ぎ低く泳ぎて金魚かな
秋の蜂花びら軽く蹴つてとぶ
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(ふらんす堂「編集日記」)
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[こぼりのりこ(1940〜)「晨」同人]
栞:岸本尚毅
装丁:君嶋真理子
四六判ハードカバー装
180頁
2018/8/5刊行