◆第一句集
大寒や斧鉞の一字定まれり
原稿の推敲をしていたところ決定的な一字を得た。大寒の厳しさに通う。
短い詩型だからこそ、一筋縄ではいかない深い内容が、言えたという秀句に注目した。
(帯より・鷹羽狩行)
◆自選十句
歌がるた小町を弾き飛ばしけり
尾を向けしままの風見や冴返る
豆雛の雲上人をたなごころ
指揮棒の一揺れに止み卒業歌
薫風や肘でおさへて答案紙
ナース帽反り強くして聖五月
犬猿の仲とは見えず日向ぼこ
休漁の舳先を繋ぎ干大根
寒北斗故郷つひに出ずじまひ
寒の水飲み人権を語り出す
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(ふらんす堂「編集日記」)
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[あだちけんじ(1952〜)「天衣」「狩」同人]
序句・鑑賞六句・帯:鷹羽狩行
跋:岬雪夫
装丁:君嶋真理子
四六判ハードカバー装
198頁
2018/6/14刊行