◆第一句集
たちまちに獲物のかたち蟻の群
季語の新しい一面を見せてくれる。奇想と言えば奇想。しかしそれを描くに抑制した文体を身につけているから説得力がある。
(序より・加藤かな文)
◆自選十二句より
春愁のホルモン網を潜り抜け
葉陰より闇を切り取り夏の蝶
たちまちに獲物のかたち蟻の群
翡翠や消せるボールペンの記憶
打水の水の届かぬまま日向
夏の雨乾きしところより濡るる
醬油皿脂涼しく散りにけり
石けんの箱のなか箱夜の秋
秋冷や砂に影濃き箒の目
ぶるぶると槍飛んで行く秋日和
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(ふらんす堂「編集日記」)
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[たけうちひではる(1951〜)「家」同人]
序:加藤かな文
装丁:君嶋真理子
四六判ソフトカバー装
196頁
2018/4/30刊行