◆第一句集
青葉闇現在に繋がる村八分
私がよく口にする故鈴木六林男のことば「憂鬱な時代には憂鬱を、不安な時代には不安を書かない作家は信用できない」。
句集『初鞴』に本当の意味での言葉を得ることができたのは最たる至福といえる。時代の社会的事象を俳句にする力は、著者の勇気と知性、その見識の高さである。
(序より・鈴木明)
◆自選十句
烏瓜男点前の黒茶碗
ハーレーの肚撲つ響男梅雨
膝上の骨壺ぬくし秋の雨
啓蟄やみなそれぞれの死の歩幅
時雨るや蕎麦街道の昼の酒
もう一歩踏み出しかねつ蛍沢
山百合の花重りして日傾ぐ
コンサート果てて余寒の街明り
昼顔の牛舎 牛みな殺処分
躁のまま夜の新樹となりにけり
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(ふらんす堂「編集日記」)
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[きくちまさひろ(1944〜)「野の会」無鑑査同人]
序:鈴木明
装丁:君嶋真理子
四六判ハードカバー装
164頁
2018/5/6刊行