◆第一句集
手鑑の紀貫之を筆はじめ
みちこさんの貫之の筆跡を臨書する姿勢が清々しい。ぼくは句集名を「手鑑」がいいのではないかと著者に呈示した次第。
俳句という文芸は先師の精神を受け継ぐものと思う故にぼくは「手鑑」がなかでみちこの俳句に適うと思ったのである。
(序より・鈴木しげを)
◆自選十句
買初や一刀彫の奈良人形
手鑑の紀貫之を筆はじめ
口紅を差して雛を飾りけり
紙ばかり買うてゐるなり養花天
白薔薇の麥丘人忌修しけり
サンドレス身体泳いでゐるやうな
印泥を練りてゐるなり文化の日
モード誌の膝に重たき夜寒かな
波郷忌の暮れゆく波郷墓前かな
聞香の刻賜りし師走かな
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(ふらんす堂「編集日記」)
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[なかでみちこ(1933〜)「鶴」同人]
序:鈴木しげを
装丁:君嶋真理子
四六判ハードカバー装
230頁
2018/5/6刊行